今から3年前の雨の日、私は信号待ちをしていた際に後方から前方不注意の車に激しく追突されました。その瞬間は身体が宙に浮いたような感覚がありましたがアドレナリンが出ていたせいか大きな痛みは感じず警察の現場検証も淡々とこなしました。しかし本当の地獄は事故から3日後の朝にやってきました。目が覚めた瞬間、首が鉄板のように固まり、枕から頭を上げることさえできないほどの激痛に襲われたのです。病院での診断は全治2週間の頚椎捻挫でしたがその2週間が過ぎても私の苦しみは一向に終わりませんでした。むしろ時間が経つにつれて症状は多様化し私の生活を静かに、しかし確実に侵食していったのです。仕事に戻ってもパソコンの画面を15分見ているだけで後頭部から肩にかけて鋭い痛みが走り次第に右手の指先がピリピリとしびれるようになりました。医師からはむち打ちは時間がかかりますよと言われるばかりで処方される鎮痛剤と湿布だけでは到底太刀打ちできない不快感が続きました。最も辛かったのは周囲の無理解でした。外見上は何の問題もないように見えるため職場の人からはまだ治らないのという視線を投げかけられ家族の前でも痛みによる不機嫌さを隠しきれず孤独感だけが深まっていきました。事故から半年が経過し保険会社から治療費の打ち切りを宣告されたとき私の症状は依然として改善していませんでした。雨が降る前の日は特に悲惨で激しいめまいと吐き気で1日中寝込んでしまうこともありました。そんな中私は専門の脊椎外来を受診しそこで初めて自律神経系への影響を指摘され星状神経節ブロックや専門的なリハビリを開始しました。筋肉を揉みほぐすのではなく神経の興奮を鎮め深層の筋肉を正しく使うための訓練を1年ほど続けた結果ようやく日常生活に光が見えてきました。今でも完全に痛みが消えたわけではありません。しかし自分の身体の限界を知りどのような姿勢を避ければ痛みが再燃しないかを理解したことで以前のような社会生活を取り戻すことができました。むちうちの後遺症と共に生きることは自分の不完全さを受け入れるプロセスでもあります。あの時無理をして大丈夫ですと自分を偽っていたら私はもっと深い闇の中にいたでしょう。
追突事故の瞬間から始まった消えない痛みと後遺症の記録