交通事故というものは、起きた直後よりも数日後の方が恐ろしいということを、私は身をもって知りました。1年前の10月、私はスーパーの駐車場でバックしてきた車に軽く衝突されました。車のバンパーが少し凹む程度の軽い接触で、私もその時はピンピンしていました。警察を呼んで事故処理をし、相手の方とも円満に別れ、その日は普通に夕飯を食べて寝ました。ところが、異変は3日後の朝にやってきました。目が覚めた瞬間、天井がぐるぐると回り、激しい吐き気でトイレに駆け込みました。熱があるわけでもなく、ただ首の後ろが異様に熱く、何か重い荷物を背負わされているような感覚です。何科に行けばいいのか分からず、最初は風邪かと思って内科に行きましたが、そこで事情を話すと整形外科へ行くように促されました。急いで整形外科を受診すると、医師は交通事故の経緯を詳しく聞き取り、すぐに頚椎のレントゲンを撮影しました。結果は、典型的なむちうち症、正式には頚椎捻挫でした。医師の説明によると、事故の瞬間に頚椎を支える筋肉や靭帯が引き伸ばされ、数日かけて炎症が深部にまで広がったために、遅れて症状が出たとのことでした。あの時内科で終わらせず、専門の整形外科に来て本当に良かったと思いました。整形外科での治療は、まず首を固定するカラーを装着することから始まり、次に消炎鎮痛剤の服用、そして症状が落ち着いてからは専門の理学療法士によるリハビリへと移りました。理学療法士の方は、単に首をマッサージするだけでなく、事故の衝撃で歪んでしまった身体全体のバランスを整えるためのストレッチを教えてくれました。驚いたことに、首の痛みの原因が実は背中や腰の筋肉のこわばりにあることを指摘され、全身を調整してもらうことで、しつこかっためまいも劇的に改善していきました。病院での治療は、単に薬をもらうだけでなく、自分の身体に何が起きているのかを科学的に理解するプロセスでもありました。また、病院への通院記録が残っていたおかげで、保険会社との休業補償の交渉もスムーズに進みました。もしあの時、自覚症状が遅れて出たことを理由に我慢し続けていたら、今頃は慢性的な頭痛に悩まされていたかもしれません。むちうちのサインは、忘れた頃にやってきます。事故の規模に関わらず、少しでも違和感があればすぐに整形外科を受診すること。それが、未来の自分に対する1番の優しさなのだと痛感した出来事でした。