インターネットの掲示板やSNSで「治験 バイト」と検索すると、3日で10万円、2週間で50万円といった景気の良い数字が並びます。私もかつて、そんな甘い言葉に誘われて病院のベッドに潜り込んだ一人です。当時は「寝ているだけでお金がもらえる最高の仕事」だと思っていましたが、今振り返れば、それは自分の健康という世界で一番高い資産を切り売りしていただけでした。私のブログに寄せられる多くのコメントの中で、最も切実なのは「治験が終わったのに、前のような身体に戻れない」という声です。ある読者は、新薬の治験に参加して以来、手の震えが止まらなくなり、大好きだった楽器の演奏を諦めることになったと綴っていました。また別の読者は、原因不明の皮膚の爛れが20年以上続いており、どの皮膚科に行っても「治験のせいかもしれないが、証拠がない」と突き放されたと言います。これらの人々に共通しているのは、治験参加時には誰もが「自分だけは大丈夫」と思っていたことです。治験の後遺症は、交通事故のような派手なニュースにはなりませんが、個人の家庭の中では確実に日常を破壊し続けています。製薬会社はビジネスとして薬を作りますが、被験者の人生の責任まで一生負ってくれるわけではありません。契約書にサインをした瞬間、あなたは「予測不能な不利益が生じる可能性」を承諾したことになります。もちろん、多くの治験は何事もなく終わりますが、その「万が一」を引いてしまったとき、待っているのは孤独な通院生活と、因果関係を証明できないもどかしさです。協力費でもらった数十万円は、数年間の医療費であっという間に消えてしまいます。私はこのブログを通じて、治験を否定したいわけではありません。ただ、画面上の「50万円」という数字を見る前に、自分の身体に一生残る傷跡や、慢性的な不調のリスクを天秤にかけてほしいのです。もし、その天秤が少しでも揺れるなら、参加を見送る勇気を持ってください。あなたの健康は、誰かの薬のための試験材料として消費されるには、あまりにも貴重すぎるものなのですから。