今年の冬、私は3年ぶりにインフルエンザに罹患しました。最高体温は39.8度まで上がり、3日間は布団の中で意識が朦朧とする時間を過ごしました。4日目にはようやく熱が36度台にまで下がり、喉の痛みも引いたので、私は「これでやっと元の生活に戻れる」と確信しました。しかし、本当の戦いはそこから始まったのです。平熱に戻った翌朝、目が覚めた瞬間に、後頭部を万力で締め付けられるような激しい痛みに襲われました。それまでの発熱に伴う頭痛とは明らかに質が異なり、頭を1センチ動かすだけで吐き気がこみ上げるような、これまでに経験したことのない不快感でした。その日は結局、仕事を休んで1日中暗い部屋で横になっていましたが、痛みは一向に引く気配がありません。照明の光が異様に眩しく感じられ、家族が隣の部屋で立てる些細な物音さえも、脳を直接叩かれているような衝撃として伝わってきました。病院へ電話をして相談しましたが、医師からはインフルエンザ後の後遺症として頭痛が残ることは珍しくない、数日は様子を見てくださいと言われるだけでした。いつ終わるかわからない痛みの恐怖に、私の心は次第に削られていきました。食欲も戻らず、お粥を一口食べるだけで頭の芯が疼きます。この不自由な身体といつまで付き合わなければならないのかという絶望感が、夜の静寂とともに押し寄せてきました。転機が訪れたのは、発症から1週間が過ぎた頃でした。友人に勧められた栄養価の高いスープを少しずつ飲み、ぬるめのお湯で足を温める足湯を15分ほど試した夜、久しぶりに4時間ほど続けて眠ることができたのです。翌朝、あれほど頑固だった頭の締め付けが、霧が晴れるようにふっと軽くなっていることに気づきました。私の身体の中で、荒れ狂っていた炎症の嵐がようやく収束に向かった瞬間でした。振り返ってみれば、あの頭痛は、無理をして社会に戻ろうとしていた私に対して、身体が発した最後の警告だったのだと思います。ウイルスとの戦いでボロボロになった神経系が、修復のために必要な沈黙を私に強いていたのです。インフルエンザという病の恐ろしさは、熱そのものよりも、その後に残るこうした目に見えないダメージにあるのだと、私は身をもって学びました。1ヶ月が経過した今、ようやく以前のパフォーマンスを取り戻しましたが、今でも仕事の合間に深く呼吸をし、脳を休める時間を意識的に作っています。あの過酷な頭痛の経験は、私に自分の健康を過信せず、身体の微かな声に耳を澄ませることの大切さを教えてくれたのです。
熱が引いた後のしつこい頭痛と戦った私のインフルエンザ療養記