私は学生時代、バスケットボール部に所属しており、毎日のようにジャンプと着地を繰り返す過酷な練習に励んでいました。その中で、数え切れないほど足首の捻挫を経験しました。当時は若さもあり、少し腫れてもアイシングをして1週間もすれば、再びコートに戻るという生活を繰り返していました。痛みさえ引けば完治したと思い込んでいたのです。しかし、社会人になり運動習慣が減った今、30代の後半に差し掛かってから、あの頃の捻挫の代償を払わされていることに気づきました。ある日、ふとショーウィンドウに映った自分の歩く姿を見たとき、愕然としました。右足だけが妙に外側を向き、重心が不自然に外側へ流れるような、ぎこちない歩き方をしていたのです。気になって自分の足を詳しくチェックしてみると、右の足首だけが異様に硬く、しゃがむ動作をしようとすると踵が浮いてしまいます。さらに、片足立ちをしてみると、左足は30秒以上安定して立っていられるのに、右足はわずか5秒でグラグラと崩れてしまいました。これが私の抱えることになった後遺症の現実でした。整形外科を受診してレントゲンを撮ると、医師からは、関節の隙間が狭くなっており、過去の捻挫による不安定性が長年続いたことで、足首の骨が少しずつ変形してきていると説明されました。あの日、痛みをごまかしてプレイを続けた結果、私の足首の靭帯は伸びきったゴムのようになり、脳は足首を正しく制御する能力を失っていたのです。雨の日になると疼くような鈍痛が走り、大好きだった散歩も20分を過ぎると足首が鉛のように重くなります。もっと恐ろしいのは、この足首の不調をかばうために、右の膝や腰にも慢性的的な痛みが波及し始めたことでした。あの時、たかが捻挫と侮らず、しっかりと固定してリハビリを受けていれば、これほど不自由な身体にはならなかったのではないかという後悔が、波のように押し寄せます。現在、私は理学療法士の指導のもと、足裏の筋肉を鍛え直したり、バランスボードを使って足首の感覚を再教育したりするリハビリを続けています。完治することはないかもしれませんが、せめてこれ以上の悪化を食い止めたいという一心です。もし、今この記事を読んでいる方の中に、痛みがないからといって過去の捻挫を放置している人がいたら、今すぐ自分の足で片足立ちをして、その安定性をチェックしてみてください。身体は正直です。過去の小さな傷跡が、10年後や20年後のあなたの自由な移動を奪うかもしれないという事実を、私は身をもって知りました。